日本の至宝 久保建英の強み、プレースタイル、適正ポジションと将来像

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今年もJリーグが開幕しました。
その中で注目を集めたのがFC東京対川崎フロンターレの多摩川クラシコに出場した久保建英。
若干17歳ながら開幕戦のレギュラーをつかみ取り、王者川崎に対して見事なプレーを連発、観客の度肝を抜きました。
この調子で成長・活躍を続ければメディアの扱いもますます大きくなることでしょう。

そこで今回は、改めて久保建英の選手としての特徴をまとめてみたいと思います。
プレーの特徴については見ればわかることではありますが、まだサッカーファンでも彼のプレーをそれほど見てないという人も少なくないと思いますし、個人的に久保が日本に帰ってきてからかなりの数の試合を見てきたのでその長所短所はそれなりにわかってるつもりなので、将来性も含めて書いていきます。

経歴

まず簡単にここまでの経歴を振り返りましょう。
3歳からサッカーを始め、次第にバルサのサッカーに惹かれ入団を希望するように。
川崎フロンターレの育成組織に入る一方、バルセロナキャンプに参加、MVPを獲得。
更にスクール選抜の一員として参加した大会でもMVPを獲得し、外国人としては異例の若さでバルサのカンテラ入団テストに合格しました。
この辺りの経緯は父親の久保 氏の「おれ、バルサに入る!」に詳しく書かれています。

バルサ入団までの要約は当ブログのこの記事にも書いてあります。「子育てにも参考になる 久保建英がバルセロナに入団するまでの記録『おれ、バルサに入る!』(久保建史)」

その後も数々の大会で得点王やMVPを獲得しますが、バルセロナがFIFAの定める18歳未満の外国人選手移籍ルールに反していたことで公式戦の出場が出来なくなり、日本への帰国が余儀なくされます。
日本ではFC東京に入団し、中3で飛び級でU-18に昇格、クラブユース選手権では中学生で得点王となり、その年のうちにトップチームへ登録、J3にあたるU-23チームで出場しました。
翌年にはルヴァンカップでトップチームデビューを果たし、J3では初得点を決めます。

翌2018年には開幕戦で途中出場を果たし、その後出場機会が減るものの横浜マリノスへの期限付き移籍でJ1リーグでの歴代2位最年少ゴールを達成しました。
今年はFC東京へ復帰し、開幕戦でスタメンとしてプレーをして輝きを放ちました。

FC東京の大金社長は否定しているものの、夏にバルセロナに復帰するという現地報道もありました。

改めて見ると凄い経歴ですね、いやでも今後を期待してしまいます。

プレーの特徴

テクニック

まずはなんといってもテクニック。
ドリブル、パス、シュートと基本の技術が非常にしっかりしている。
そんなにスピードがある方ではないんですが、細かくボールを動かして相手の隙を作り一瞬でかわすことが出来ます。
トップスピードはなくても緩急を付けてボールを運べるのでフィジカルで勝る相手でも単独で剥がせるのは大きな強みです。
そういう所はイニエスタやシャビにも通じる所があります。
シュートも日本人としてはかなり上手く、小柄ながら威力のあるシュートが打てます。
イニエスタに似ていると言われることもありますが、ゴールゲッターとしての能力はイニエスタにもない側面です。

サッカーIQの高さ

彼のプレーを見ていて感じるのがサッカーIQの高さ。
所々にバルサの選手らしさを感じます。
バルサらしいとはどういうことかというと、サッカーは広い視野を持つのが難しいためプロでもスタジアムやテレビで見ている観客からなんでそこにパスを出さないんだ、なんでシュートを撃たないんだと文句を言われることがあります。
一方バルサの選手のプレーは見ていてそういう苛立ちを感じることがほとんどなく、それどころか上から見ている観客の予想を上回るような選択をすることが多々あります。
久保建英のプレーもそうした感覚を覚えることがあり、元々持っていたものかバルセロナのカンテラで磨かれたものかはわかりませんが、広い視野と高いサッカーIQがあるからこそできることです。

フリーキック

もう一つの武器はプレースキックの精度の高さ。
先日の開幕戦でもポスト直撃の強烈なシュートを放ちましたが、昨年のU-19アジア選手権でも北朝鮮相手に見事なフリーキックで得点を奪いました。
元々プレースキックは得意でしたが最近は球威も加わり、既にJでもトップクラスではないかと思います。
左利きということもあってそのキックは中村俊輔を彷彿とさせます。
もし中村俊輔レベルまで成長すれば、プレースキックだけでも将来日本代表にとって大きな武器になるでしょう。

メンタル

そして個人的に最も評価しているのがこの部分です。
中学生の頃から取材を受けた際のコメントも非常にしっかりしていますし、試合の外でもよく考えているのがわかります。
また、U-17ワールドカップではフランスやイングランドといった個の力で上回る格上の相手にも引かずに単独でドリブル突破を仕掛け実際に数人を抜き去り、負けん気の強さを見せました。
U-19アジア選手権でも敗北したサウジアラビアに孤軍奮闘していましたし、相手が強いとより真価を発揮するタイプに見えます。

また、フィジカルや守備、運動量など昨年FC東京で指摘された課題が今年の開幕戦で大きく改善されているのを示しましたが、これは単に身体が成長しただけではなく、常に自分に何が足りないかを考えて努力してきた結果ではないかと思います。
自分の現状をきちんと把握して成長に繋げられる選手というのは大人のプロでもそう多くないと思いますが、久保のそうした能力の高さはメディアでの発言からもうかがえます。
これから海外に行ったりして新たな課題にぶつかっても、それを糧にさらに成長することでしょう。

欠点

一方の欠点はよく言われることですがフィジカル面にあります。
以前と比べ大分たくましくはなって来ましたが、パワーやスピードは世界のトップレベルと比べるとやはり見劣りします。
こればかりは生まれ持った部分が大きいので仕方ないですが、例えばエムべパのようなプレーをするのはいくら成長しても難しいでしょう。
Jリーグでやれるだけのフィジカルは既に身に付きつつあると思いますが、これが海外、特にプレミアリーグあたりだと順応出来るかどうかはわかりません。
とはいえJリーグでもその部分は指摘されていたものの既に克服しつつあるので、よりレベルが上がる中でも上手く適応して欲しい所です。

プレースタイル

プレースタイルは一言で言えば点の取れるチャンスメーカー。
日本人では体型的にも香川真司と比較的似ていますが、異なる点もあります。

まず一つはプレーエリア。
香川はどちらかと言うとゴール前の狭いエリアで輝くタイプですが、久保の場合それより少し後ろの中盤で前を向いた状態でボールを受けた時にいいプレーをする傾向があります。
香川がセカンドトップなら久保はトップ下の適正が高いと言えるでしょう。
もっとも現代ではトップ下を置くチームは少ないので、インサイドハーフかサイドハーフ、またはウイングでプレーすることが多くなるでしょう。
2トップの下がり目でプレーすることも出来るとは思いますが、ポストプレーのようなゴールに背を向けるプレーはそれほど得意ではなさそうなので100%力を発揮するのは難しいと思います。
もう一つセットプレーが蹴れるのは香川にはない武器ですね。

将来どこまでの選手になるか

さて、気になる将来どれだけの成功が期待できるかという点。
時々「日本のメッシ」なんて紹介されたりもしますが、メッシのような選手になるのは難しいでしょう。
まあサッカーファンでそこまでの期待をしている人はそういないと思いますが、テクニックやサッカーIQ、シュート技術ではある程度近いレベルまで行けるかもしれませんが、メッシの場合小柄ながら並外れた足腰の強さ、スピード、瞬発力があります。
これは持って生まれた部分が大きく、努力である程度は伸ばせてもメッシと同じレベルまで到達するのは厳しい。

イニエスタに似ているとする声もありますが、イニエスタの場合チャンスメイクに徹している所があって、一方久保はゴールゲッターの側面もあるので少し違うかなと。

以上を踏まえると近いのはダビド・シルバかなと思います。
小柄な左利きのテクニシャンで、フィジカルはそれほど強くないもののサッカーIQが高く視野も広くてパス・ドリブル・シュートを高いレベルでこなす。
シルバはリーガ、プレミアで活躍を続けている大選手なので現時点では差がありますが、このまま順調に育てば将来シルバのような選手になる可能性は少なからずあります。

おそらくA代表に召集される所までは行くでしょうし、開幕戦のようなプレーを続けられればU-20ワールドカップが終わった後
今年中に呼ばれる可能性すらあると思います。
そのままA代表に定着し主力になるか、また海外に行ってビッグクラブまで上り詰めるかまでは現時点では断定出来ませんが、個人的には行けるんじゃないかと思います。

一番の根拠としてはそのメンタリティにあります。
過去代表や海外でプレーして成功した選手もいれば上手くいかなかった選手もいるわけですが、そこを分ける一番大きな要因はフィジカルやテクニック以上にメンタルが大きいように見えるからです。
良くも悪くもやりやすい日本にいるのと違って、海外では誰も守ってはくれませんし積極的に自分の良さを出していかなければ簡単に干されてしまいます。
そうした厳しい環境の中で活躍してきた過去の日本人を見ると、成功してきた選手は自分に何が足りないのかを把握し改善する力だとか、チームメイトや監督にアピール出来る能力、そういったものをひっくるめて強いメンタル、自分の考えを持った頭の良さを持っていると感じます。
その点久保の場合、技術はもちろんですがそれ以上に精神面、考える力が非常に高いのでこういうタイプは海外でも上手くやっていけるんじゃないかと思います。
またスペインでプレーする場合ですが、スペイン語が出来るのも大きなアドバンテージです。
他の国でもヨーロッパの言語は割と似てるのでスペイン語が出来るなら割と早く習得できるはず。
以上の理由から、海外や代表で活躍出来る可能性はかなりあるんじゃないかと思います。

というわけで久保建英のプレーや将来性についてまとめました。
まだ17歳なので過度な期待は禁物ですが、願わくばいつか日本人史上最高と言われるような選手になってほしいですね。

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