日本の経営者 報酬が低すぎる本当か 国際比較

日産自動車のゴーン会長が逮捕され、連日大きな話題となっています。
果たして起訴まで至るのか気になる所ですが、そもそもの始まりはゴーン氏の高額報酬。
一方で聞かれるのが日本の経営者の報酬は低すぎる、本来ゴーン氏くらいの経営者ならこれくらい貰って当然、というものです。
確かにニュースを見るとグーグルやアメリカのファンドの経営者がゴーン氏よりはるかに高額な報酬を貰っているようですが、業種も違えば国もアメリカばかりで世界全体でどうなのかはよくわからない。
また経営者全体の報酬ということならトップクラスのランキングより平均や中央値の方が重要ではないかと思います。
そこで色々調べてはみたのですが、世界全体の経営者報酬のデータというのがあまりない。
労働者に関する統計なら色々あるんですが、経営者の場合報酬額を補足しにくいですし、上場企業だけなのか非公開企業も含めるのかでまた変わってきますしね。

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参考になりそうな物で各国経営者報酬の平均的な労働者の賃金に対する比率というデータがありました。
その国ではCEOは労働者の何倍報酬を貰っているかというもので、国によって物価や賃金の水準も違いますから単に報酬額を比べるより参考になるかと思います。


(Ratio between CEOs and average workers in world in 2014, by country)より

全ての国が網羅されているわけではありませんが、見ての通りアメリカがかなり突出しています。
アメリカではCEOの報酬は平均的な労働者の実に354倍にもなります。
世界一の金持ち国家と言われるスイスの倍以上。
日本は67倍で、低いと言えば低いですが低すぎるという程ではないですね。
1位アメリカ2位スイス、3位がドイツということで豊かな国ほど上位に来る傾向がありますが、一方でデンマークやノルウェーなど格差の小さい国は生活水準が高くても日本より下になっています。

アメリカは格差が大きいというイメージがあるものの、それを上回る水準でした。
もっともそのアメリカも昔からこうだったわけではなく、こちらの記事CEO Pay: How Much Do CEOs Make Compared to Their Employees?)によると1965年には同様の比率は20倍に過ぎなかった
そうです。
それが1970年代から2014年までにCEOの報酬は997%増加、一方で同じ期間に労働者の賃金は10.9%しか増えませんでした。

(CEO Pay: How Much Do CEOs Make Compared to Their Employees?より)

上はその推移ですが(紺がS&P500株価指数、水色がCEOの報酬)、株価指数とCEOの報酬がほぼ連動しています。
ただS&P500の方が先に上昇しているので、このグラフを見る限りではCEOの報酬を上げたから企業の業績が上がったというより企業の業績が上がったからそれに合わせてCEOの報酬が上がったのではないかと思います。

いずれにせよ米国は豊かになっているのに増えた富は経営者ばかりに流れていることへの批判、不満も高まっており
それがトランプ大統領誕生の一因になったのかもしれません。

日本に関しては生え抜きのサラリーマン社長が多く経営者の市場が未発達であること、失われた20年で企業業績が伸び悩んだ
ことから経営者の報酬が低めになっているのではないかと思います。

まとめ

  • 日本の経営者の報酬水準は低い方ではあるが低すぎるというわけではない
  • アメリカの経営者報酬が際立って高い
  • アメリカの場合企業業績が伸びた結果、経営者の報酬も増えた一方労働者はさほど増えず格差が広がった

以上のような結果になりました。
経営者の報酬額はどれくらいが適正かというのは難しい問題ですが、最近は日本でも所謂プロ経営者が増えていますしこのまま企業業績が伸びて行けば日本の経営者報酬の水準も上がっていくでしょう。

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Posted by 管理人