日本代表ベルギーに敗れベスト16で敗退 ロシアで得た収穫と課題

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ロシアでワールドカップを戦い抜いた日本代表は、下馬評を覆してベスト16に進出。
決勝トーナメント1回戦で強豪ベルギーと対戦し、あと一歩の所まで追い詰めながら逆転を許し惜しくも敗退しました。
本当に後少しで勝てそうだっただけに僕も我が事のように悔しかったですが、結果が出てしまった以上は仕方がありません。
代表引退をする選手も何人かいますが、残った選手には次のカタール大会で今度こそベスト8に進めるよう頑張ってほしいと思います。
そこで今回、本気の強豪と正面からぶつかったからこそ得られた収穫、見つかった課題もあると思うので一ファンとして振り返ってみたいと思います。

収穫

日本のスタイルの方向性を示せた

まずはこれに尽きるでしょう。
就任会見で西野監督が「日本らしいサッカーを見せたい」と述べていましたが、ファンからするとその時点でいまいち日本らしいサッカーというものがイメージ出来ないのと、ブラジルワールドカップで「自分たちのサッカー」という言葉が一人歩きしていたのもあって反応はほとんどがネガティブなものでした。
しかし蓋を開けてみれば、「確かにこれは日本人の特徴を活かしたサッカー」だと見ている人に伝わる様なサッカーでした。

ちなみに大会前「ビッグコミックスピリッツ29号」のインタビューにて代表コーチの手倉森氏がそれについて興味深いことを述べていたので、少し長いですが一部を抜粋します。

「改めまして、98年の初出場から、日本は今回で6大会連続のW杯出場になります。そろそろ結果を出さなければいけない立場だと思っていて、そのためにも『日本のサッカーのスタイルはこれだ!』というものを見つけに行くW杯にしなければいけない、と僕は思っています。
10年大会以来のベスト16へ勝ち上がれば、評価されるかもしれない。史上初のベスト8入りを果たせば、国民のみなさまに喜んでもらえるでしょう。じゃあ、勝てば無条件で成功と言えるのか?負けたら失敗なのか?
必ずしもそうじゃないだろうと、僕は考えます。
W杯には32か国が出場しますが、開催国のロシアを笑顔で去ることができるのは、優勝する1か国だけです。残りの31か国は、悔しさを胸に刻んで帰国する。
だとすれば、負けることも成功にしなきゃいけない。たとえグループリーグで終わることになっても、『日本代表のサッカーのスタイルはこれだ!』というものが国民のみなさまに伝われば、少なくとも『日本代表はこういうサッカーで世界に対抗していくのか』
ということをイメージして貰えれば、2年後の五輪や4年後のW杯につながっていくはずです。それが、6度目に見せる世界です!」

いかがでしょう、まさに手倉森コーチが言っていた通りの結果になったのではないでしょうか。
今回日本が賞賛されたのも期待の低い所からベスト16に進めたというのもありますが、それと同じくらい日本のスタイルを見せつけ今後に期待が持てるような内容だったのもあると思います。
恐らくは西野監督の就任が決まってからスタッフ、選手で日本らしいサッカーとは何か、どういうサッカーを目指すべきか何度も話し合ってきたのでしょう。
『日本代表のサッカーのスタイルはこれだ!』『日本代表はこういうサッカーで世界に対抗していくのか』というこれらの部分は間違いなく日本のサッカーファンに伝わったはずです。
そういう意味で、今大会は日本代表にとって結果だけでなく内容でも成功だったと言えるでしょう。

ボールを保持しゲームの主導権を握る、という点では4年前のブラジルと同じですが、そのベースに時にショートカウンターや縦パスを入れたり相手に合わせて戦い方を変え、それをチーム全体で共有し攻守に連動して実行する。
自分たちのやりたいことにフォーカスしすぎて相手が見えていなかったブラジル大会とも苦肉の策的な戦い方の南アフリカとも違ったものでした。

いいサッカーをしていただけにベスト8まで進めなかったのは悔しいですが、それは今後今回の経験を活かして成し遂げて欲しいと思います。
後任の監督が誰になるかわかりませんが、このスタイルを継承し、さらに発展させてくれるような人であることを願います。

決定力

これはあまり言われていない部分ですが、過去の代表と大きく違う点です。
コロンビアから2点、セネガルから2点、ベルギーから2点と4戦計6得点。
W杯における日本の最多得点記録を更新しました。
何度も何度も決定力不足と言われ続けていた日本ですが、今大会の日本を見てそう言う人は誰もいないでしょう。
特にセネガル戦2度離されても追い付いたのは見事でした。

個の勝負強さ

ハリルホジッチ監督が繰り返し「デュエル」という言葉を使っていましたが、それを十分体現出来ていました。
乾貴士のドリブルとシュート、大迫勇也のボールキープを始め酒井宏樹や昌子源らDF陣も世界水準の相手に逃げることなく戦えていたと思います。
よりパワーやスピードのある相手にも勝負が出来ていたため毎回言われる「日本人はフィジカルが弱いから駄目だ」という批判もほとんどありませんでした。

課題

ゴールキーパー

後一歩という所まで強豪ベルギーを追い詰め、もう少しでベスト8という所まで行ったからこそこのポジションの重要性というのをより痛感しました。
特に川島永嗣がいくつか失点に絡むミスをしたことで批判がありましたが、ここで川島個人を責めたいわけではありません。
確かにどんな名キーパーでもミスはあるとはいえ決定的なミスが多いという印象はありますが、個人的にはそれよりGKのおかげで勝てたという試合がなかった点が問題かなと思っています。
元日本代表の川口能活も「失点はGKだけの責任ではありません。ですがGKの力で勝てる試合があることもまた事実なのです。」と述べています。
これは本当にその通りで、キーパーというのは味方のプレーに関係なくたった一人で試合結果を変えうる非常に重要なポジションです。
今大会で言えばイングランドなどはピックフォードのおかげで勝ち上がっていると言っても過言ではありません。
日本のようなチームが格上に勝とうという時には特にGKの存在が重要になります。
予選で日本がシンガポールと引き分けたときも、相手のGKが当たって日本のシュートが悉くセーブされたのが原因でした。
W杯は短期決戦ですから今大会のデ・ヘアのように世界的名手でもパフォーマンスが奮わないこともありますが、一人で試合結果を左右しうるポジションなだけにGKのレベルが高いほど勝率も上がるのは間違いありません。

そういう意味でゴールキーパーの質の向上は日本サッカー全体で取り組む必要があります。
個人的には中村航輔を推していましたが、その中村にしてもミスはありますし、ハイボールの処理には不安もあり川島と比べて格段に優れているというわけではありません。
Jリーグでも韓国人を始め外国人GKの活躍が目立ち、他のポジションと比べても世界との差が目立つポジションになっています。
GKのレベルを上げるというのは一朝一夕に出来ることではなく、監督の采配や選考でどうにかするのは限度があります。
つまり育成年代の指導法から見直して向上させていく必要があります。
身長や身体能力は簡単には伸ばせませんが、判断力やポジショニングはまだまだ改善の余地があります。
そもそも日本人にも190cm超えのキーパーはそれなりにいて、それが代表に入って来ないというのは高さ以外に問題があるということ。
スペインやイタリアもGK大国ですが国の平均身長は日本とそう変わりません。
育成年代から教育を変えていけばいずれ日本からも世界と戦えるGKが出てくるはずです。

高さ

これは特にベルギー戦について。
基本的に日本は小柄なのでどうしても高さという点では不利ですが、今大会ではそれをあまり感じさせずよく戦っていたと思います。
ただベルギー戦では後半高さのあるフェライニが投入され、日本は守備の的を絞れず結果逆転を許してしまいました。
普通に戦っている分にはある程度抑えられても、日本の弱点を狙い撃ちにされた時にどうするか。
ワールドクラスの大型ストライカーであるルカクに加え、マンUでプレーする190cmのフェライニをスーパーサブとして使える、そんな
チームは世界でもほとんどないと思いますがワールドカップで勝ち抜くならそういった対策も必要になってきます。
選手だけでなく采配も含めて今後の課題と言えるでしょう。

選手層

最後が選手層の問題。
これが特に露呈したのが6人替えを敢行したポーランド戦。
大幅にスタメンを入れ替えた結果それまでの2試合と比べ低調なパフォーマンスに終始し、出来のよくないポーランドに先制を許し屈辱的な
パス回しをする羽目になりました。
6人も替えてW杯初出場の選手も何人かいたので仕方ない面もありますが、他の試合でも控えで違いを作れたのは1ゴール1アシストの本田圭祐と献身性を発揮した岡崎慎司くらいで、その岡崎もポーランド戦は負傷退場となりました。
ベルギー戦について相手の戦術変更に対応出来なかった西野監督への批判もありますが、フェライニをベンチに置けるベルギーと比べ
そもそも使える駒が少なかった点は考慮されるべきでしょう。
準備期間が短く控えまで吟味出来なかったのもありますが、控えのレベルが落ちるのも否定出来ない事実でこれもまた今後の課題です。

まとめ

ワールドカップロシア大会で見られた成長と課題について振り返りました。
本当にあと一歩でベスト8という所まで行けたので悔しさは残りますが、現在ベスト4まで残る強豪ベルギー相手にそこまで悔しいと思える
こと自体日本の進歩を裏付けているのではないでしょうか。
日本代表には今回の経験を活かして次のカタールかその次かわかりませんが、今度こそ初のベスト8進出を果たして欲しいと思います。
それまで一サッカーファンとしてまた応援を続けたいと思います。

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