日本戦コロンビアMFサンチェスがハンドになって、アルゼンチン×ナイジェリアでロホがハンドにならなかった理由 ハンドの判定基準

ワールドカップも始まってはや二週間、グループリーグも終盤に入ってきました。
さすがに全試合は無理ですが、一日一試合くらいは見ているので寝不足が続く毎日です。
その中でグループD最終節、アルゼンチン対ナイジェリア戦、エリア内でアルゼンチンDFマルコス・ロホの手にボールが当たった件でtwitterなどで何故ハンドにならなかったのかわからないといった反応がありました。
対戦相手のナイジェリアも判定に不満を表しているようです。(アルゼンチン劇的勝利もナイジェリアは判定に不満。「明らかにハンドだった」【ロシアW杯】

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前回日本対コロンビアでカルロス・サンチェスの犯したハンドについて何故PK&退場が妥当か書きました(日本代表コロンビア戦サンチェスの退場&PKは議論の余地なく正しい判定である理由)が、決定機阻止のハンドは退場というルールについて説明した一方ハンドかどうかの基準については軽く流していたので、今回はコロンビアのケースと比較しながらそれについて書こうと思います。

競技規則上のハンドの規定

日本対コロンビアについては改めて書く必要はないと思いますので、アルゼンチン対ナイジェリアの状況について説明します。
お互いの決勝トーナメント進出を懸けたアルゼンチン対ナイジェリアの試合後半31分、アルゼンチンのDF、マルコス・ロホが相手のクロスをヘディングでクリアしようとしたボールが手に当たってしまい、ナイジェリアがハンドをアピール。主審はVARで確認しましたがハンドとは認められませんでした。
これに対しネットの一部で「何故ハンドにならなかったかわからない」、「故意じゃないから?」「故意かどうかは関係ない。位置の問題」、「審判のさじ加減」などの反応がありました。
確かにハンドかどうかというのは判断が難しい場合も多く、主審によってジャッジが変わることはあり得ますが、この日本対コロンビア、アルゼンチン対ナイジェリアに関しては概ねルールに則った妥当なジャッジだったと思います。
サンチェスとロホで何が違ったのか、ハンドの判定基準について見ていきます。

まず競技規則に書かれたハンドのルールを読むと、

競技者が手または腕を用いて意図的にボールに触れる行為はボールを手で扱う反則であ
る。

このように書かれています。ハンドかどうかに故意か否かは関係ない、位置が問題なんだと言う人もいますが競技規則にはっきり書かれている以上意図的かどうかが重要なポイントとなることに議論の余地はありません。
つまりコロンビアのサンチェスは故意と判断されたからPKになり、ロホは故意でないと判断されたからPKではなかったということになります。
しかし意図的かどうかは心の中の問題ですから究極的には本人にしかわかりません。
そこで次の要素を元に審判はそれが意図的なものかどうか判断します。

  • ボールの方向への手や腕の動き(ボールが手や腕の方向に動いているのではなく)
  • 相手競技者とボールの距離(予期していないボール)
  • 手や腕の位置だけで、反則とはみなさない。
  • 手に持ったもの(衣服、すね当てなど)でボールに触れることは、反則とみなされる。
  • もの(靴、すね当てなど)を投げてボールにぶつけることは、反則とみなされる。

通常ハンドかどうかの判断に関わることが多いのは上から三つ。
ボールが手や腕に向かっているのではなく手や腕の方からボールに向かっていること、競技者が予測、反応出来るだけの距離があること(距離が近いと反応出来ず当たってしまうこともある)、手や腕が広がっているというだけで即ハンドにはならない(判断材料の一つにはなりうる)。
これらを総合的に見て主審はハンドかどうかジャッジを下すことになります。

コロンビア、ナイジェリアの場合

では以上を踏まえて日本対コロンビアのケースを見てみましょう。

ボールがゴールへ向かうと同時にサンチェスの腕がボールに向かって伸びているのがわかるかと思います。
恐らくは計算してというより反射的に手が伸びてしまったんだろうと思いますが、半ば無意識でも自ら腕を伸ばせば意図的と取られても仕方ありません。
ボールとの距離もあり上述の条件を満たしているため、ハンドという判定は妥当だと言えます。
決定機阻止という直接的な利益を得ている点も主審の判断に影響したかもしれません。

一方アルゼンチン対ナイジェリア。

間違いなく手に当たってはいますが、ロホがヘディングした時点から手や腕はほとんど動いていません。
またボールと腕との距離もかなり近く、自分でヘディングした結果ではありますがこれらのことから故意ではなく意図せずして手に当たってしまっただけと主審は判断したと思われます。
ナイジェリアの選手は腕が開いていたと不満を漏らしていますが、上述の通り腕の位置だけではハンドとは限らず、あくまでヘディングをするためのモーションと主審は受け取ったのでしょう。
また、サンチェスとの比較で言えばロホの手に当たっても当たらなくても恐らく結果はあまり変わらないので、手が触れることによって利益を得ていないという点でも主審の判断を後押しした可能性があります。

まとめ

  • ハンドとは意図的に手や腕でボールに触れる反則
  • 意図的かどうかはボールの方向への手や腕の動きやボールとの距離から総合的に判断
  • サンチェスを故意、ロホを意図的でないとしたジャッジは妥当

以上ハンドの判定基準とコロンビア、アルゼンチンのケースについて検証しました。
両試合ともルールを理解していればそれほど疑問に思う判定ではなかったかと思います。
ナイジェリアの場合マスチェラーノのファウルに対して与えられたPKがかなり厳しいものだったので、どちらにしても負けを審判のせいにするのは難しいんじゃないかと思います。
ハンド、特にPKが絡む場合判断が難しくそれでいて試合の結果を大きく左右しかねないものでしたが、VARの導入であからさまな誤審は減った印象です。


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