日本代表コロンビア戦サンチェスの退場&PKは議論の余地なく正しい判定である理由

いよいよ日本代表にとってのワールドカップが始まり、コロンビアとの第一戦が終わりました。
国内外ともに前評判の低かった日本ですが、なんと競合コロンビアに2-1で勝利、見事四年前の雪辱を晴らし、大会前の冷え切った空気が嘘のように日本がワールドカップで盛り上がっているのを感じます。
そのターニングポイントとなったのが前半三分、コロンビアMFカルロス・サンチェスのプレー。
裏へ抜け出した大迫のシュートがブロックされ、そこに香川が詰めてシュートを撃ったところ、サンチェスが手を伸ばしハンド。
日本はPK獲得、サンチェスは退場となり、日本が先制点を獲得し一度は追い付かれるものの大迫のゴールで再度突き放し勝利を手にしました。

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そこで一部から聞かれたのがPKに加えて退場は少し厳しいジャッジなのでは、という声。
ハンドには違いなく、PKも妥当だがイエローでよかったのではないかということです。

この流れから香川真司が放ったシュートを、コロンビアMFカルロス・サンチェスが右上腕部に当てて止め、日本はPKをゲット。加えて、カルロス・サンチェスの赤紙退場まで獲得した。「PKを与えたならイエロー止まり」がスタンダードな判定になりつつあるなかで、スロバキア人のダミル・スコミナ主審さんは、日本に最大限好意的な判定をしてくれた。

「コロンビア戦は大事件」と驚く杉山氏。大迫の決勝点には必然性あり

例えばサッカーライターの杉山茂樹氏もこのように述べていますが、これはルールを把握していないための勘違いです。
杉山氏が言っているのはいわゆる”三重苦”のことで、確かに以前はペナルティーエリア内で「決定的な得点の機会を阻止」をした競技者は反則の内容にかかわらず退場することとなっていました。
そして一発退場、PK、次節出場停止というペナルティは重すぎるし、それが試合序盤に起こった場合試合を早くに決定付けてしまうということで緩和する流れになりました。
結果二年前に「決定的な得点の機会を阻止」した場合でも退場から警告へと軽減されました。

とはいえこれは全ての反則に対してではなく、依然として退場処分となるケースもあります。
その一つが今回のサンチェスのケースで、競技規則には「競技者が、意図的にボールを手や腕で扱う反則により、相手チームの得点、または、決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は退場を命じられる」、と書いてあります。

あの時ゴール前はがら空きの状態で、香川のシュートはゴールに向かっており間違いなく「決定的な得点の機会」でそれを手で止めたわけですから、文句なしに上記の文言に当てはまりPKかつ退場となります。

したがってスロバキア人のダミル・スコミナ主審さんは別に「日本に最大限好意的な判定をしてくれた」わけではなく、単にルールブックに従って正当な判定を下したに過ぎません。

また、2010年ワールドカップのスアレスのハンドなどと比較して、「あれと比べれば故意じゃないから審判によってはイエローで済ませる」という意見も見ましたがそれも間違いです。
まずハンドというのは全て意図的、つまり故意にボールを手で扱う反則のことを指します。
故意でなければそもそも罰せられませんので故意じゃないから処分が軽減されるということはなく、そして決定機阻止はハンドなら退場と書かれている以上ハンドと判定されたら自動的にレッドなので誤審以外でイエローになる可能性は低いでしょう。
ハンドかどうかは「ボールの方向への手や動き」、「相手競技者とボールの距離」などから判断されるわけですが、それと照らし合わせるとあれを故意と判断した主審の判断も妥当だと思います。つまり2010年のスアレスの方がより露骨というだけで、サンチェスもスアレスも同じハンドということです。

まとめ

というわけで、あのサンチェスの退場とPKはルール上正しい判断だったという話でした。

コロンビア戦の日本の勝利に関しては称賛が沸き上がっている一方で運がよかったという声もあります。
確かにハメスの体調不良など運が味方した点もありますが、元々サッカーは相手のミスを誘発し自分たちのミスを減らすスポーツでもあります。
その点あのシーンも日本が仕掛けた攻撃で相手がミスを犯した、自分たちで掴んだ運であり、勝利の価値を減らすものではないと思います。
いずれにせよまだ一試合が終わったばかり。セネガル-ポーランド戦を見る限り次のセネガル戦は更に厳しい試合になりそうですが、選手達には全力を尽くしてまた日本を沸かせてほしいと思います。

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