サッカー界で導入を検討中 シンビンとは?

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シンビンという言葉を聞いたことはありますか?
元々はラグビー用語で、サッカーでも導入が検討されている新ルールのことです。
2年前にIFAB(国際サッカー評議会)が各国協会に新制度をテストする許可を出して以来、アマチュアの試合で運用されています。
FAのバリー審判長はその結果に満足し、将来”ほぼ確実に”イングランドサッカーで導入されると述べています。
ここではそのシンビンがどんなルールなのか具体的に見ていきます。

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シンビンとは

概要

既に述べたとおり、シンビンとは元々はラグビーで導入されているルールで、プロラグビーでは1981年、シックス・ネイションズ(ヨーロッパの国際ラグビー大会)では2001年に導入されました。
シンビンというのはsin(罪)とbin(ゴミ箱、入れ物)を合わせた造語で、反則を犯した選手を一時的(一般的には10分)に退出させるというものです。
ラグビーの他にはアイスホッケー等でも類似のルールがあります。
サッカーにおいては一時的退場(temporary dismissals)とも呼ばれます。

目的

なんのために導入するのかということですが、反則を犯した選手に対し即座に罰を下すことで、その選手とチームの行動にポジティブな影響を促すというためです。
現在のルールだと警告(イエローカード)を与えられた選手はもう一枚イエローカードを貰うと退場になるというだけで、イエローカード自体には(累積による出場停止はあるものの)特にペナルティはありません。
イエローカードに短時間の一時的退出というペナルティを加えることで、選手がペナルティを避けるため今までよりクリーンなプレーをすることになるという期待があります。

現状

先述の通り、IFABは各国のサッカー協会にユース、年長者、障害者およびグラスルーツ(草の根)でのシンビンの使用を既に認めています。
この協会の中には当然日本も含まれており、実際JFAは2017年に上記カテゴリーの主審に対しシンビンを使用する選択肢を与えることを決めました。
イングランドでは昨年32のリーグで試験的運用がなされており、FAの審判長ニール・バリー氏はその結果に大いに満足しているようです。
ニール氏によればその32のリーグでは審判への抗議が38%減少したとしており、将来的にほぼ確実にグラスルーツ全体に広がり、FAはシンビンを導入することになるだろうと述べています。

ガイドライン

IFABはシンビンを運用するに当たってのガイドラインを出しています。
最後にそのガイドラインから主要な部分を抜粋します。

懲戒処置

  • 主審は競技会規定が認めているならば、一時的退場を命じる権利を持つ。
  • 一時的退場は、選手が警告(イエローカード)の対象となる反則を犯した時、その試合のそれ以降の参加を一時的に”停止”するものである。

競技者のみに適用

  • 一時的退場は全ての選手に適用されるが、控え選手や既に交代し退出した選手には適用されない

主審の合図

  • 主審はイエローカードを提示した後明確に両手で一時的退場エリア(通常は選手のテクニカルエリア)を示す

一時的退場の時間

  • 一時的退場の時間は全ての反則に対し同じ。
  • 一時的退場の時間は全プレー時間の10-15%とする。(例:90分の試合なら10分、80分の試合なら8分)
  • 一時的退場の時間は警告を受けた選手が退場してプレーが再開したら始まる。
  • 主審は、(交代や負傷など)前後半の終了時に追加される「アディショナルタイム」のような「失われた」時間があれば、一時的退出の時間に加えなくてはならない。
  • 競技会は誰が主審が一時的退場の時間を計るのを手伝うのか決めなくてはならない。(第4の審判や副審など)
  • 一時的退場の時間が終わったら、その選手はボールがインプレー中でも主審の許可を得てタッチラインから復帰できる。
  • 主審がいつ選手が復帰するかの最終的な決定を下す。
  • 一時的退出した選手は一時的退出の時間が終わるまで交代できない。
  • 一時的退場の時間が前半終了まで(延長戦がある場合後半終了まで)に終わらなかった場合、一時的退場の時間の残りは後半(延長戦開始)開始から科される。
  • 試合終了時まで一時的退場時間が終わっていなくても、その選手はPK戦に参加できる。

一時的退場エリア

一時的退場中の選手はウォーミングアップの場合を除き、テクニカルエリアにとどまるか、コーチ、テクニカルスタッフと一緒にいなければならない。(控え選手と同じ条件)

一時的退場のシステム

競技会は、以下の一時的退場システムのどちらかを使用してよい。

システムA-全ての警告(イエローカード)
システムB-一部の警告(イエローカード)

システムA

  • 全ての警告(イエローカード)は一時的退場で罰せられる。

2度目の警告を受けた選手は
-2度目の一時的退場を受け、それ以降試合には参加できない。
-交代枠を使い切っていなければ2度目の一時的退場時間の終わりに控え選手と交代できる。(2度の一時的退場で既にチームが罰せられているため)

システムB

  • 一時的退場になる警告(イエローカード)の反則を事前に決める。
  • その他の警告対象となる反則は通常の警告(イエローカード)が与えられる。
  • 一時的退場となった後通常の警告を受けた選手はプレーを続ける。
  • 通常の警告を受けた後一時的退場となった選手は、一時的退場の時間が終わったらプレーに復帰する。
  • 二度目の一時的退場となった選手は、一時的退場の時間が終わったらそれ以降その試合には参加できない。交代枠が残っていれば控え選手と交代することが可能。
  • 通常の警告(イエローカード)を二度受けた選手は退場となり、それ以降その試合には参加できず交代も出来ない。

まとめ

将来的にプロの試合やワールドカップでも導入される可能性のあるシンビンという制度についてまとめてみました。
反対意見も出ているようですが、今のところ現場からはポジティブな反応が大きいようです。
もし導入されればサッカーの競技性に少なからず影響を与えるであろうシンビン、今から予習しておくのもいいでしょう。

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