「失業率が下がったのは人口が減ったから」は嘘 求人数の推移を見る

有効求人倍率がバブル期を超え、過去最高になったというニュースが報じられています。
一方こういった雇用の改善が報じられる度一部で「少子化で人口が減ったからよくなったように見えるだけ。実際は全然よくなってない」といった声が聞こえてきますが本当でしょうか?
その実際の所を探ってみます。

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求人数の推移を見る

探ってみる、といってもこれは厚生労働省の出している統計を見ればすぐにわかります。
求人倍率というのは求人数÷求職者数、つまり求職者一人当たり何件の求人があるのかということを示す数値で、求人数が増えるか求職者数が減ると下がります。
「人口が減ったから」説は求職者が人口減少に減って求人数は増えていないという主張なので、
求人数が増えておらず求職者数が減っていたら正しく、求人数が増えていれば間違っているということになります。
では、実際に厚労省の出している統計を見てみましょう。

(厚生労働省「一般職業紹介状況(平成29年6月分)について」より引用)

上の図を見ればわかるように、平成21年度を底に右肩上がりで求人数が増えています。
雇用状況の改善は人口が減ったからだけではなく、雇用自体が大きく増えているということです。
つまり「雇用の改善は人口が減っただけで仕事は全然増えていない」というのは全くのデタラメです。
まあほんの数年前に過去最悪レベルの就職難があった時点で疑わしく思ってもよさそうなものですが……。
これで結論は出たのですが、これだけで記事を終わらせるのもなんなのでもう少し補足をしたいと思います。

そもそも労働力人口はそこまで減ってない

この主張をしている人達は「少子化が進み数年前から人口も減り始めた。だから労働力人口も減っているに違いない」と思い込んでいる、というかそもそも単なる人口と労働力人口を区別していないような気がしますが、元々その二つはイコールではありません。
今度は総務省の資料から労働力人口の推移を拾ってきました。

(総務省「労働力調査(基本集計)平成28年(2016年)平均(速報)結果の要約」より)

上の図を見ればわかる通り、必ずしも労働力人口は右肩下がりになっているわけではなくむしろ数年前の就職氷河期の頃よりは増えています。
1990年の労働力人口が6,384万人なのでバブル期よりも多いということになります。
これは男女別の図を見ればわかるように男性の労働力人口が減る一方で、女性の労働力人口が上がっているからです。
更に高齢者の就労者も増え、外国人労働者も年々増えています。
この点でも「人口が減ったから」論には問題があるのがわかります。

正社員の求人

増えているのは非正規だけ、という声もありますがそれも否定できます。
確かに労働者派遣等の規制緩和等で非正規労働者の割合は大きく増えましたが、ここ数年は非正規ばかり増えて正社員の雇用が増えないということはありません。
下は正社員求人倍率です。
正社員に限っても大きく求人が改善しているのがわかるかと思います。

(厚生労働省「労働市場分析レポート第75号 平成28年の求人倍率の概要」より引用)

まとめ

結論としては「少子化で人口が減ったからよくなったように見えるだけ。実際は全然よくなってない」、という主張は全く正しくないということになります。
ここ数年雇用が改善しているのは日本に限ったことではないので全部が安倍首相のおかげとは僕も思いませんが、かといっていくら安倍首相が憎いからといって全くのデタラメを吹聴するのはいかがなものかと思います。
言っている人は本当にそう思っているのかもしれませんが、こんなのはほんの少し調べればすぐ間違いとわかることですし、すぐに否定されそれが一般認識となっていないのも問題かなと思います。
先日もとある記事で大学教授が同じような主張をしていたのには驚きましたが。

 

それでは今日はここまで。

 

 

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