実は日本よりもヤバイ アジア諸国の少子化

2017年7月20日

こんにちは。
内閣府の少子化対策白書を眺めていたら気になるデータがあったので引用します。

(内閣府 少子化対策白書 諸外国との国際比較より)

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書いてある通り上の図はアジア諸国の合計特殊出生率の動きです。
少子化で大変だ、このままでは日本人は絶滅するといった報道を毎週のように目にしますが、そんな日本より更に少子化が進んでいる国や地域がいくつもあるんですね。
韓国が日本以上に深刻な少子化問題を抱えているのは知っていましたが、アジア全体はまだまだ出生率が高いイメージだったので少し驚きました。
アジアといっても広いですしここにあるのはあくまで一部の国ですからいまだ少子化を迎えている国も多いとは思いますが、こういう図を見ると少子化というのは経済発展の段階であらゆる国が直面するある種の先進国病なのかなという気がします。
そこで今回はそんな少子化に喘ぐ日本以外のアジアの国々の状況を調べてみました。

シンガポール
2014年の合計特殊出生率は1.25と東南アジアでは最も、世界全体で見ても非常に少子化の進んだ国です。
この低い出生率の原因としては、実家暮らしの若者が多いため結婚しなくても生活に困らない、若者のキャリア志向の強さが挙げられます。
まだ高齢化は進んでいないため現時点での悪影響はそれほど目立ちませんが、政府はこれを問題視して少子化対策に取り組んでいます。
政府自ら「国のために子供を作ろう!」という日本だったら批判で炎上しそうなメッセージを盛り込んだPVを作成したり、結婚相談所に補助金を出して政府が出会い系サイトを作るなどかなり対策に力を入れています。
更に結婚後の生活支援も充実させているのですが、現時点では目に見える効果は出ておらず将来的に更なる移民の増大で少子化問題に対処するとも言われています。

 

タイ
タイはASEAN域内でシンガポールに次ぐ少子高齢国で、60歳以上の高齢者の人口に占める割合は既に15%を超えています。
ご多分にもれずタイも女性の高学歴化や社会進出が進み、そしてそんな都市部に暮らすキャリアウーマンほど結婚率が低くなっています。
とりわけ首都バンコクの合計特殊出生率は0.8を下回るとも言われています。
また、タイ特有の事情として多様な性の存在が少子化を促進しているのではという意見もあるようですが、これはなんとも言えません。

韓国
韓国は急速な出生率の低下が特徴で、1970年代に日本が出生率2.1程度に対し4.5程ありましたがその後急減、1985年に初めて日本を下回り2005年以降は常に日本を下回っています。
少子化によって最初に消滅する国は韓国という予測もありますが、文在寅大統領の新政権において国家の最優先課題として少子化問題を挙げており、抜本的な改革を望まれています。

香港
香港は元々これらの国の中では出生率は低かったのですが、その傾向が更に進み90年代、00年代には世界最低の出生率を更新し続けました。
ただ依然として低い水準ではあるものの、2005年から安定的に回復している傾向が窺えます。
では政府が何か対策を打ったのかというとそうではなく、香港は結婚出産は個人の問題であって政府が介入すべきでないという考えがあるらしく、政府による少子化対策らしきものはほとんどありません。
この辺り同じ中華系のシンガポールとは真逆の考え方で面白いですね。
ではなぜ多少なりとも出生率が上がっているのかと言えば中国大陸出身者が移住してきて香港で結婚するケースが増えていることが一因のようです。
習近平がトップになってから中国による香港への介入が強まっていますが、少子化においても中国大陸の影響を逃れられないということでしょうか。

台湾
台湾は世界で最も少子化が深刻な地域とされ、2010年には出生率が1.0を切りました。
今はその時よりは回復しましたがそれでも2014年で1.17と依然として低く国連の推計によると2050年には世界一の高齢国家となるとされています。
やはり他の国と同様女性の高学歴化、社会進出が進んでおり、男性以上に女性が結婚を望まない傾向になっています。
また所得に対して物価も高く、男性は結婚が難しいため外国人や中国本土、香港人との結婚も増えているようです。
政府もようやく出産に対し手当を支給するなど少子化対策を始めましたが、成果が出るまでにはまだ時間がかかりそうです。

 

 

ここまでアジアの5つの国・地域の少子化事情を見てきましたが、少子化の傾向は似て見えてもその状況や対応はそれぞれ異なることがわかります。
日本の出生率は最悪期は脱したかに見えますが政府が目標とする出生率1.8はまだまだ先です。
欧米ばかりでなく同じく少子化問題を抱えるアジアの国々を研究することで少子化対策の新たなヒントが見えてくることもあるでしょう。

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