ACLで済州がキレた理由を考察する

アジアチャンピオンズリーグの第1回戦が終了し、ベスト8が出揃いました。
鹿島アントラーズは残念でしたが、川崎フロンターレと浦和レッズがそれぞれ勝ち抜いて進出、さらに幸か不幸か準々決勝では日本勢、中国勢同士で潰し合うことに。
これでJリーグ組はベスト4まで進むことは確定となりました。
以前過去のデータを見ると日本勢のベスト4は堅いという記事を書きましたが、その通りになりましたね。
どちらが上がってくるにせよ今の中国クラブは豊富な資金力を背景に力を付けており、決勝までいくには苦労しそうですが
是非優勝を勝ち取って欲しいですね。

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特に浦和レッズは韓国の済州ユナイテッドを相手に見事3-0で勝利し、1stレグでの2-0という逆境を跳ね返し準々決勝進出を決めました。
最後まで諦めずに戦い、勝利を掴んだ姿勢は見事でしたが、その試合終盤に目を疑うような事件が起こりました。
地上波のニュースでも大きく取り上げられたのでサッカーファンならご存知と思いますが、浦和レッズが時間稼ぎをする中で済州側と乱闘が起こり、控え選手がベンチを飛び出てピッチを突っ切り阿部選手にエルボーを食らわせ、さらに試合後には槙野選手を数人の選手が追いかけ攻撃しようとしました。
試合が白熱する中で小競り合いが起こるのは珍しくありませんが、その最中に控え選手がピッチに入って肘打ちをするなんて光景は流石に見たことがなかったので驚きました。

 

そして9日AFCよりこの試合に関する処分が発表され、済州側からは3選手が出場停止と罰金を命じられました。
その中で済州の退場処分を受けていたチョ・ヨンヒョンが試合後ピッチに入りレフェリーを押し、クウォン・ハンジンが浦和の選手(恐らく槙野選手)の顔を叩いていたという新事実も発覚しました。
今までにも韓国の代表やクラブチームとの試合では人種差別パフォーマンスや領土主張のプラカードなどトラブルが生じていたことから、ネットでは韓国人の国民性や反日感情に原因を求める声もあります。
果たしてそういったことが背景にあるのかは判断がつきかねますが、そうはいっても韓国のチームと試合をするとき毎回トラブルが起きるわけではありませんし、今回の件はあまりに常軌を逸していました。
そもそもこの済州ユナイテッドはKリーグでフェアプレー賞を受賞するくらい本来はマナーのいいチームであったといいます。
そんなチームがこのような蛮行に至ったのには他にもそれなりの理由があるのではないかと考え、今回それを考えてみることにします。

 

浦和の挑発?

あのような行為に至った理由として済州が真っ先に挙げたのがこれです。
浦和の選手がベンチ前にやってきて指三本を立てて挑発しただとか、チームスタッフが水を掛けてきたなどと主張しており、済州の監督も「勝者にもマナーが必要だ」という趣旨の発言をしています。
それでは実際に挑発があったのか?これに関しては断定できません。
ただ少なくともyoutubeに上がっているファンの撮影したものも含めて僕が確認した限りでは、済州側が主張するようなシーンはありませんでした。
済州側からは槙野選手が挑発をしたという声が多く上がっていますがズラタン選手が挑発をしたという報道もありはっきりしません。
それに最初の衝突が起こったのは試合中ですし、肘打ちされたのは阿部選手ですから辻褄が合わないようにも思えます。
済州側は映像や写真等の証拠を揃えてAFCに意見書を提出したということですが、裁定を見る限りではAFCは済州側の主張を認めなかったと言えそうです。
何かがなかったことを証明するのは中々難しいので絶対になかったとまでは言えませんが、仮に挑発が事実あったとしてもあのようなことをしていい理由にはなりません。

これに関して考えられる可能性としては、
①挑発があった
②挑発はなく、暴行の言い訳の為に嘘を吐いた
③挑発はなかったが、済州側が挑発されたと思い込んだ

の3つが考えられると思いますが、こればかりは内心の問題でもあるのでどれが正しいかはわかりません。
2万人の観客がいて韓国のメディアもいた中で一切証拠の映像が出てこないのも不自然な気がしますし、個人的には挑発はなかったと思いたいです。

 

レフェリングへの不満

これは『朝鮮日報』のインタビューにおいてクウォン・ハンジンが「あまりにも偏りすぎていた」と話しています。レフェリングに関しては全体的に不満があったようで、特に済州にPKが与えられなかったこと、チョ・ヨンヒョンが退場になったことが大きかったのではないかと思います。
その段階ではまだ3点目は入っていなかったので、つまり挑発云々以前に既に済州はフラストレーションを溜めていたということになります。
実際そのインタビューを見ても槙野選手が挑発をしたという主張はあくまで試合後のことのようで、つまり挑発に関する済州側の言い分が事実だったとしても試合中の肘打ちはそれとは関係無いということになります。
ジャッジが妥当か誤審かはさておき、不利な判定に怒るのは普通のことですが仮に誤審だったとしても責任のない相手選手への暴力は到底許されませんしいくら不満があっても試合後レフェリーに手を出すなどもってのほかです。
ともかく、審判への不満が大きな要因となったのは確か事実と言えます。

 

チームにかかるプレッシャー

この済州ユナイテッドというチームは元々全北現代のような強豪チームではなく、何度も本拠地を移転しKリーグでの実力は中位程度、観客動員ではKリーグ最下位という不名誉な数字を出したこともある比較的小規模のクラブです。
それが今回その全北現代が審判買収でACLへの出場を禁じられ、繰り上がりで出場することになりました。
そして今大会で初めてのベスト16に進出したのですが、他のKリーグチームはグループリーグで全滅、唯一Kリーグを背負って戦うチームとなったことにアジアでの経験が少ない済州にプレッシャーがかかっていた可能性があります。

また、ホーム&アウェー方式の1stレグで浦和に2-0で勝利したため、浦和は2ndレグで3-0で勝利、最低でも2-0にする必要があり、もし済州が1点でも取ったら浦和は4点取らなくてはいけなくなるという圧倒的に有利な立場でした。
それを1点も取れず3-0で覆されてしまうというのは大きな屈辱です。
そういった屈辱を受け入れたくないという心理的抵抗も働いたのでしょう。

 

時間稼ぎへの苛立ち

これは1点を争うような状況で残り時間が少なくなった時にはどのチームもやることですし何も問題はないのですが、実際にやられる方は相当イライラします(笑)。
審判への不満もある中でじりじりと焦らせてくるような浦和の戦術にストレスが溜まり、あの乱闘騒ぎへと発展したのではないかと思います。

 

まとめ

済州側が主張するような挑発があったにせよなかったにせよ、どちらにしてもそれだけが原因ではなく上で挙げたような要素が重なって起こってしまった残念な事件だったのではないかと思われます。
もちろんどんな理由があっても相手選手や審判への暴力は許されることではないので、重い処分が課されるのは当然のことです。

もう一つ個人的に残念だったのは、あの乱闘で結果的に済州が試合を投げたような形になってしまったことです。
あの時は2戦合計で3-2で、1点返せばPK戦に持ち込むことができる状況でした。
サッカーにおいて理屈の上では1点取るのに最速10秒もあれば十分可能です。
実際同じような状況で、時間稼ぎをしながらアディショナルタイムに点を返され試合をひっくり返されてしまったというケースは何度もあります。
それなのにあのような形で勝負を投げてしまったことは応援してくれているファンにも失礼だと思います。

いずれにせよ今回のような光景はあまり見たくないので、再発することのないようにしてほしいですね。

 

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